2025/05/07 14:47

音楽解説1発目は今更紹介せずとも知れた
大名盤"Abbey Road"
今回はあえてこの歴史的一枚をザックリと紹介させて頂きます。
1969年9月26日発売。音楽史上最高の存在であるビートルズの実質的ラストアルバムとなる作品。一言で表すならばまさに"洗練"
ビートルズの波乱に満ちたこれまでのキャリアの集大成とも言えるこのアルバムは、インディーズ時代の粗暴なロックンロール、初期のストレートなソングライティング、中期の革新性に満ちた前衛的な作品と、あらゆる技法を極めたメンバー達による洗練されたサウンドが特徴。何処となくピリピリとした冷たい緊張感が漂い続ける作品であり、当時のメンバー間に流れる空気感をそのままパッケージングしているようにも感じ取れる。
※個人的にこのアルバムはビートルズにハマったきっかけでもあるため、思い入れが深い作品です。
ジョンレノン作"come together"の重々しくも掴み抜群のイントロから始まり、
ジョージハリスンの最高傑作"something"
一聴するとコミカルだが実はなかなか怖いこと歌ってるポールマッカートニー作の
"maxwell's silver hammer"
ポールの力強いボーカルが光るロックンロールバラード"oh! darling"
リンゴスターの愉快な人柄溢れる
"octopus garden"
そしてジョンレノンの狂気に満ちた"i want you"にて何の前触れも無く突然"音が途切れる"という形でA面は幕を閉じる。
※個人的にこの作品は、よく語られているB面よりも、A面の方が好きなんですよね。特に
"come together" "i want you"はビートルズの中でもトップクラスで好きな楽曲です。
上記の"i want you"にて突如として現れた凍りつくような静寂に温かい光を差すかのように、
ジャージハリスン作"here comes the sun"で
B面が幕を開け、哲学的美しさを帯びる深淵な歌詞、そしてビートルズのボーカルグループとしての圧倒的実力、美しすぎるコーラスワークを堪能出来る"because"へ。
そして何と言っても語り草なのがB面の
"you never give me your money"〜
"the end"までの巨大なメドレーパート。まさにビートルズのキャリアの大団円を演出する華やかかつ、もうこれで終わってしまうという何処となく切なく、それでいて少しスッキリとしたようなラスト。ビートルズらしさ全開の"愛は与えた分だけ返ってくる"というメッセージと共に幕を閉じる。
と思ったら、15秒ほど放置していると音量maxで殺意むき出しの"ジャーン!!!"と共にポールマッカートニー作、元祖シークレットトラックの
"her majesty"が再生される。
"女王陛下を口説き落としたい♪"とか言うクソみたいなメッセージで今度こそ本当に幕を閉じる。これはこれである意味ビートルズらしいラストですね笑
※ポールマッカートニーはこの曲を本当にエリザベス女王の前で披露するとかいうトチ狂った行為をしており、会場には地獄みたいな空気が流れていた。
ということでザックリとした解説は以上になります。
最後まで聴き終わると、まるで一本の名作映画を観たような満足感と虚無感に襲われます。
有名な話ですが、メドレー冒頭の
"you never give me your money"のオープニングのフレーズやギターのアルペジオを含むメロディは、メドレーのクライマックスに当たる
"carry that weight"のミドルレンジにて伏線回収かの如く流用されており、これに初めて気付いたガキの頃。マジで昇天しました。
本当は一曲一曲深掘りしてもっと書きたいこと沢山あるんですけど、今回はまぁこの辺で終わりにしておきます。
聴いたこと無いって人は絶対に聴きましょう。
音楽好き失格です。
では、最後までお付き合い頂きありがとうございました。